変形性頚椎症とは、頚椎の部分に加齢現象が加わるなどの原因で肩が凝ったり、首が痛くなるなどの症状が現れること。検査方法は頚椎のレントゲン。変形性頚椎症の治療方法には保存療法と手術療法。通常、痛みを訴える場合は前者の中の薬物療法を用います。
人の背骨は、通常、首の部分に7個の頚椎と胴体の部分に肋骨とつながった12個の胸椎、腰の部分に5つの腰椎があります。
そのうち頚椎の部分に加齢現象が加わるなどの原因で、肩が凝ったり、首が痛かったり、手がしびれたり、歩きにくかったりなどの症状が現れる病気を変形性頚椎症といいます。
原因は述べたように加齢による椎間板の変性などで、脊髄が押されたり神経根が圧迫されたりして痛みやしびれが出てくるのです。
加齢による身体の変化は誰にでも起こり得るものですが、変形性頚椎症の場合、特に生まれつき脊柱管の狭い人や、過去に激しいスポーツや頚部を動かす頻度の多い仕事をしてきた人に若干多く見られるようです
。検査方法としては、頚椎のレントゲンがあります。
正面像、側面像、斜位、前屈・後屈側方向などの方向で撮影し、骨の並び方や椎間板の高さ、骨棘(こつきょく)の有無、神経の枝の出口などをみることで診断できます。
変形性頚椎症の治療には、保存療法と手術療法があります。
中でも、保存療法には1.薬物療法2.理学療法3.寝具療法があります。
通常、首や肩の痛みを訴える場合は、非ステロイド系鎮痛剤、筋弛緩剤、胃薬の組み合わせを処方します。
鎮痛効果の高い消炎鎮痛剤は、胃を傷めることがありますので、患者は、薬の副作用や胃潰瘍などの病歴を必ず伝えなければいけません。
また、症状が軽い場合は湿布や塗り薬だけの時もあります。
頚椎安定枕という枕があるようですが、この枕は、頚椎の状態が普通の人には良いと思いますが、変形性頚椎症の人には頚側が高いぶん、逆につらい状態になるのでオススメできません。
症状が重い人には手術の方法もあります。
変形性頚椎症の手術は脊柱管という頚髄の通り道を開く方法です。
頚椎の後ろ側は、椎弓という脊髄を守るように覆っている骨がありますが、この骨を削って観音開きに開くことにより脊髄の通り道を広げるわけです。